こんにちは。地域おこし協力隊の岩崎です。
今回は、毎年8月12・13日に行われる焼津神社大祭「荒祭(あらまつり)」を取材してきました!
1600年以上前に創建されたと伝わる焼津神社で受け継がれるこの祭りは「東海一の荒祭」とも呼ばれ、焼津の夏を象徴する大きな行事です。

8月12日「神ころがし」— 子どもの健やかな成長を願う神事
初日の見どころは、赤ちゃんの成長を願う神事「神ころがし」。
神社総代が二人一組となり、「アンエットン!」の掛け声とともに赤ちゃんを3度回すと、その泣き声が大きいほど丈夫に育つといわれています。


境内ではたくさんの赤ちゃんたちが「神ころがし」を受け、大泣きしたり、きょとんとした顔をしたりと、とても微笑ましい光景が広がっていました。
親御さんや総代の皆さんの温かな笑顔も印象的で、まさに“地域全体で子どもの成長を願う”時間となっていました。
8月13日「神輿渡御」— 勇壮豪快!焼津のまちを練り歩く


翌13日は、朝から神社境内で例祭が執り行われ、獅子木遣りの皆さんも勢ぞろい。午前9時30分頃には、いよいよ2基の御神輿が登場しました!
白装束に身を包んだ大勢の担ぎ手たちが「アンエットン!」の大きな掛け声を響かせながら神輿を担ぐ姿は、まさに圧巻🔥
私も現地で取材しましたが、その迫力に飲み込まれ、胸が熱くなる瞬間の連続でした。

神輿渡御は市内4ヶ所の御旅所を巡り、夜遅くまで約6.5kmを練り歩きます。
ただ勇壮なだけでなく、御祭神を各町に迎えて祭事を行うという深い意味が込められており、地域の人々の祈りをつなぐ大切な役割を担っています。
代々受け継がれる役割と祈り
荒祭りには、猿田彦・御神子・御供捧・流鏑馬など、それぞれ重要な役割が存在します。
たとえば猿田彦は邪を祓う先導役、御神子は清らかな姿で人々を浄め、御供捧は代表して神にお供えを捧げます。流鏑馬は町の無病息災を祈り馬で駆け抜けます。
いずれも神聖で厳粛な役であり、日々の清めや練習を経て当日に臨む姿からは、先人から受け継いだ信仰の重みを感じました。



また、「荒」という言葉は「荒々しい」という意味ではなく、「素朴・純粋に神へ向き合う心」という意味が込められているそう。 地域の人々の“純粋な祈り”こそ、この大祭が長く続いてきた理由なのだと実感しました。
地域の力で守られる伝統
荒祭は、四区の祭典委員(青年・中老)をはじめ、保存会や多くの奉仕者の力によって運営されています。
大廻しの縄の技術や、獅子木遣りの歌声、舞姫による神楽舞など、すべてが地域の誇りであり、次世代へと受け継がれています。
平成21年には駿河湾地震で境内の石積みが倒れる被害がありましたが、人々が力を合わせ手作業で修繕し、予定通りに祭りを執り行ったというエピソードも。
その背景にある“焼津っ子の心意気”を知り、荒祭の本当の意味を強く感じました。


迫力と祈りに包まれた二日間
二日間を通して、迫力ある神輿渡御、子どもたちの成長を願う神事、そして地域の方々の温かな笑顔と祈りに包まれた焼津神社大祭「荒祭」。
荒々しさの中に宿る“純粋さ”を肌で感じる、まさに魂のお祭りでした。

来年もまた、この伝統が多くの人の心を動かしていくことを願っています✨