こんにちは。地域おこし協力隊の岩崎です。

今回は、焼津の歴史ある浜通りを舞台に開催された
「第16回 やいづ浜通り 夏のあかり展」の様子をレポートします!
台風を乗り越えて──2日間だけの幻想的な灯り
当初は3日間の予定だったあかり展ですが、初日(9月5日)は台風の影響で残念ながら中止に。
しかしその分、9月6日(土)・7日(日)の2日間は、奇跡的な晴天とともに無事開催されました。私が訪れた6日(土)は、夕暮れとともに点灯式が行われ、
浜通り一帯がふわっと温かい光に包まれた瞬間、思わず息を呑みました。


浜通りの歴史と小泉八雲の記憶
焼津漁業発祥の地とされるこの浜通り。
実は、明治の文豪「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)」が避暑に訪れた場所としても知られています。

今年秋から始まる連続テレビ小説では、八雲の妻・セツが主人公のモデルになることでも話題です。
今回のあかり展では、そんな八雲にちなんだテーマで制作された行灯(あんどん)も数多く並びました。
「八雲」「妖怪」「夏の焼津」をテーマに、市民の方々が描いた作品の数々が夜の浜通りを優しく彩りました。



また、浜通りや小泉八雲の魅力を伝える映像も流れ、来場者はその世界観にじっくりと浸っていました。
行灯×竹灯ろう×市民の想い
沿道には、市民の皆さんが描いた絵柄の行灯がずらりと並び、
なかには「八雲」や「妖怪」をモチーフにした作品も。



やさしい光が絵を浮かび上がらせ、
歩くたびに表情を変える浜通りの風景に、多くの方がカメラを向けていました。また、竹灯ろうの揺らぐ灯りもあいまって、まるで絵本の世界に迷い込んだかのよう。
地域の想いと手仕事が詰まった、心温まる風景でした。
焼津グルメと人の温かさも魅力
浜通り沿いには、地元の飲食店やキッチンカーの屋台も出店。
香ばしい鮪の香り、ポップコーンの甘い風、ビールを片手に語らう家族や友人たち…。にぎやかな声と笑顔が交差する中で、
焼津らしい“地元の温かさ”をしみじみと感じられる時間となりました。


朗演『雪女』『漂流』が心に残った夜
点灯式のあと、常照寺で行われたのは、朗演家・大石みつえさんによる
小泉八雲作品『雪女』『漂流』の語り。



静かな境内に淡く灯された舞台と、身振りや声の抑揚で紡がれる語りが相まって、
まるで物語の中に迷い込んだかのような体験でした。
静けさの中に響く声の余韻は、今でも心に残っています。
※朗演は6日(土)のみの実施でした。
焼津の夜に、またひとつ心に残る風景を


たった2日間だけの開催とは思えないほど、多くの人の心に残る灯りのイベントになった今回のあかり展。
どこか懐かしく、あたたかく、そしてどこにもない特別な時間がそこにありました。
また来年、この場所で新たな光景に出会えることを楽しみにしています。